ハチドリのひとしずく
今日は、一つの物語を紹介したいと思います。

南米のアンデス地方に伝わる話を明治学院大学国際学部教授で、環境=文化NGOナマケモノ倶楽部主宰の辻信一さんが訳した短い話です。
森が燃えていました
森の生きものたちは われ先にと 逃げて いきました
でもクリキンディという名の
ハチドリだけは いったりきたり
口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは
火の上に落としていきます
動物たちがそれを見て
「そんなことをして いったい何になるんだ」
といって笑います
クリキンディはこう答えました
「私は、私にできることをしているだけ」
出典:「ハチドリのひとしずく」 辻 信一監修 光文社刊 2005年
これは、南米のアンデス地方に昔から伝えられてきた話です。そこに住む先住民族の友人から聞いた辻信一さんが翻訳し、最初はブックレットとして、2005年11月には光文社から単行本として発売されました。単行本は、カナダ、ハイダ民族のアーティスト、マイケル・ニコル・ヤグラナスさんが描いた印象的な絵と共に綴られています。

そして私がこのお話を知ったのは、大学時代の時です。
授業の一環で、大学の先生がこのお話を教えてくださいました。
当時の私は先生からお話を朗読してもらっても、だから・・・??という感じだったのですが、先生は
「それでは、今日の授業は皆さんにこの後のお話を考えてもらいます。自由に書いてもらっていいので、書けたら本にして、皆さんに配りますね。」
とだけ言われました。
一つの行動をおこすとその先は・・・?

私たちがもし、クリキンディだったら・・?
私たちがもし、動物たちだったら・・・?
もしかしたら、燃えている森だったら・・・?
色々な視点からお話をつくることが出来ます。
動物もどんな動物たちがいるのだろうか・・・?
色々考えれば考える程想像が膨らんでいきます。

この授業の答えは正解がなく、そして、どれもが正解である、自分が考えたお話が正解でもあり、友人たちが考えたお話が正解でもあります。
この時の授業では、30人くらいの授業でしたが、お話を書き上げると、先生は本当に1冊の本にして下さいました。
ページをめくると、30人分のお話が出来上がっています。
どのお話も同じ話はなく、人それぞれでした。
読むとどれも違うので、こういった見方があるんだなぁととても楽しかったのを覚えています。
これは、クリキンディの1羽のとった小さな行動ですが、森の動物たちはクリキンディの行動を笑っています。
笑われても
『私は、私に出来ることをしているだけ』
と芯を持って行動します。
人はこういった行動は中々難しく、勇気のいることです。どうせ自分一人が動いたって、何も変わらないよとあきらめてしまいがちです。
しかし、
“私にも出来ることがある!!”と小さな勇気を持つことでもしかしたら、何かが変わるかもしれません。
その勇気や行動が自分自身を変えていく、成長させていくのではないかと思います。
そして、色々な人たちの色々な人生にも当てはまっていくのではないかと感じました。
当時はあまり理解出来ていませんでしたが、働き出してから、部屋の整理をしている時にこの本が出てきて、とても考えさせられました。
あなたができることは何ですか??

私自身クリキンディのように『私は私に出来ること』が出来る人になりたいなと思いました。
誰かが困っていたら、無力かもしれないけれど、もしかしたら力になれるかもしれない。
それがその人の勇気や行動に繋がるかもしれない。
行動することで、何かが変わっていくのかもしれない。

そして、子どもたちにも、思いやりのある、誰かのためになにか出来ないかなと考える力をつけてもらいたいなと思います。
いつか子どもたちにこのお話を聞かせてあげたいと思っています。そして、子どもたちがどのように感じるのか、話合って欲しいとも思います。
その時はまた、ブログでお伝えしたいと思います(^ ^)